手作りのベビー服

四国こどもとおとなの医療センターは、2つの病院が統合されて大きな総合病院になりました。2013年の開院に際してホスピタルアートを全面的に導入しました。

アートを導入する時には、コンセプトを決めて、サイズや色、材質、サインとの連携、法規制との整合性などを決めていきます。病院は美術館ではありませんから、長い間ちゃんと作品が生き続けられるかが重要となり、そのためには設計士さんや施工業者さん、多くの人と「対話」が必要になります。

病院ボランティアの活動も広がっていて、歌やバイオリンの演奏や絵手紙教室などそれぞれ得意な「こと」を提供してくれます。どの病棟に何が必要とされているかを、あらかじめ私がリサーチをしておいて、そこにふさわしいボランティアを導入する、そういうお手伝いをしています。

あるボランティアからたくさんのぬいぐるみが届きました。まずは職員や私たちが喜ぶ、次はそれをプレゼントされた患者さんたちが喜ぶ。そういう喜びの循環ができています。さらにその送ってくださった方に感謝を伝えれば、その方の生き甲斐にもなっていきます。

小さくして亡くなる赤ちゃんがいます。その赤ちゃんのために、最初で最後だけれど、その子が生きていた時間を尊重するという意味で、お母さんに選んでいただくベビー服をボランティアが作っています。お金に換えられない価値を見出す。それも私はすべてホスピタルアートだと思っています。

ヘルスケアアートの種類

  • ベビー服
  • プレゼント

施設名

四国こどもとおとなの医療センター

設置・実施年

2013年開院

関係団体・個人とその役割

アートディレクター:森合音

関連ページ

四国こどもとおとなの医療センターHP ホスピタルアートについて
https://shikoku-mc.hosp.go.jp/about/hospitalart.html

第1回 ヘルスケア・アートマネジメント連続講座 2018.07.04 講義録
「病院アートディレクターの役割」
四国こどもとおとなの医療センター ホスピタルアートディレクター、
NPO法人アーツプロジェクト 理事長 森合音
https://healthcare-art.net/case/mori.html

事例紹介 森合音