糖尿病予防に係わるキャラクター「グルッシー」

筑波大では、医療系と芸術系が連携して、疾病予防を目的としたプロジェクトに数多く取り組んでいます。画像の「グルッシー」は、グルコースをモチーフにしたオリジナルキャラクターです。

糖尿病予防を専門にする理学療法士の方から相談を受けたもので、大人ではなく子どもの頃から、食べすぎ、飲みすぎなどの食生活に目を向けてほしいという話がありました。そこで言葉ではなく、視覚的な表現で伝わるものを考え、怖いようなかわいいようなキャラクター(世界糖尿病デーで使用するマスコットキャラクター)を考えました。

当初はグルコースだけの提案でしたが、マンガやすごろくなどの教材への展開に伴って、インスリンや脂肪、筋肉などのキャラクターを追加しています。

グルッシーは、糖尿病発症のメカニズムと同様に、適切な糖分の摂取量であれば体の健康を維持する存在ですが、過剰な糖分の摂取により赤く変化し、血管内で暴れるという二面性のあるキャラクターとして描写しています。

赤グルッシー(過剰なグルコースが血管内部を攻撃しているイメージ)

糖尿病予防啓発マンガの制作

30ページにわたる糖尿病予防啓発マンガの制作をしました。小学生高学年を対象に、1型と2型糖尿病について理解を深めることができるもの。印刷費用はクラウドファンディングで調達し、茨城県の全小学校に配布しています。

糖尿病予防に関しては、ほかにも多様な展開をしています。

  • ボードゲーム「めざせ健康100歳」 …クイズに答えてマスを進み、健康ポイントがプレーヤーが勝利となる
  • カードゲーム「ポイポイグルッシー」 …キャラクターへの理解を深めるために制作
  • 糖尿病予防に係わるアニメーションコンテンツ …児童館や糖尿病サマーキャンプで上映し、踊った
UNOと同様のルールを採用した糖尿病予防カードゲーム。各キャラクターについて理解を深めることを目的としている。

【論文】生活習慣病予防教材の開発に関わる芸術と医療の連携についての考察
https://artmeetscare.org/wp-content/uploads/2019/03/F.Murakami_126_-142_vol10.pdf

ヘルスケアアートの種類

  • キャラクター制作
  • マンガ
  • ゲーム

施設名

特定の施設に限らない

施設内の設置・実施場所

茨城県から全国への展開を検討中

設置・実施年

2016年~

関係団体・個人とその役割

筑波大学グルッシーコラボレイションズ
筑波大学の医療系と芸術系の教授らが連携するプロジェクトチーム

アート&デザインプロジェクト Art & Design Project for Well-being
筑波大学附属病院では、筑波大学芸術系の教職員や学生と協力しながら、アート、デザインによる療養環境改善の取り組みを2002年から行っています

関連ページ
なごやヘルスケアアート・マネジメント事業
連続講座 第3回「芸術系大学と大学病院が協同したデジタルアート」
https://healthcare-art.net/news/event/entry-262.html

事例投稿 村上史明