効果的な立体パーツ

周産期母子医療センターは、産科と新生児科の2科が組み合わされた施設。

現場が埼玉ということもあり、これまでやってきた現地でのペイント作業ではなく、デザイン画を壁紙にプリントする方法を研究室としては初めて採用しました。パソコン上でデザインした図柄を、原寸大の壁紙に拡大印刷して現場で張るという方法。色合いや、解像度など心配要素がたくさんありましたが、幸いにも信頼できる方と仕事をすることができ、想像以上に完成度の高い仕事になりました。

その地となる壁紙に、エポキシ樹脂でつくった立体パーツ(どんぐりや樹木)を貼付けることで、あらたな視線を誘導することができ、とても効果的なインテリアとなっています。

ホスピタルアートを施した箇所は、4階にあるNICUの廊下と、2階にある新生児外来の廊下。図柄は基本的に同じものですが、NICUはオレンジを基調とした暖色系、外来は緑を基調とした寒色系とし、色彩によって雰囲気を変えました。狭い廊下の両側に森が広がり、廊下の床には森の小径が張り分けられました。壁の樹木は一部天井まで延長しています。

上の写真はどんぐりの立体パーツ。壁には、森の中をイメージした絵がプリントされており、その森の中をどんぐりたちが駆け回る物語を込めています。どんぐりたち一つ一つの表情にも注目してもらえるように、目に付きやすい立体で表現しました。

下の写真は新生児外来廊下つきあたりで、シンボルツリーを壁面に取り付けています。枝の部分がフックのような形状で、丸い葉の部分を支えており、この丸い葉の部分はひっくり返して緑色とすることもできます。コツのいらない単純な仕組みで、簡単に気分を変えられるように考えました。

ヘルスケアアートの種類

  • デジタルプリント
  • 立体パーツ
  • 壁面装飾

施設名

埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター

施設内の設置・実施場所

新生児外来の廊下(写真のもの)、NICUの廊下

設置・実施年

2013年

関係団体・個人とその役割

アート企画・実施: 株式会社 東プロ、
          名古屋市立大学芸術工学部鈴木研究室(鈴木賢一、学生)
          森林文化アカデミー(学生)

事例投稿 名古屋市立大学芸術工学部鈴木研究室