医療関係者と患者に協力を得て、病棟の待合室で鑑賞できるアニメーション映像を制作しました。
外来の待合の患者さんは待ち時間も長くなるため、3つのモニターを設置した「デジタルサイネージ」(建築物として設置されたもの)を活用しています。
インタビュー番組のような構成で、インタビュアーとして患者さんが出演して担当の医療者に質問をします。好きな食べ物や将来の夢など子どもらしい視点を生かし、医療者の人間的な側面に光を当てることができました。
YouTubeのように「どこでも見られる映像」ではなく「この場所でしか成立しない映像」、病院という「特定の環境下で上映することに意義のあるコンテンツ」です。
この作品は病院側に評価され、以降の展開にもつながりました。「ホスピタルクエスト」というアニメーションシリーズも制作しています。
- 「ホスピタルクエストアレルギー編」 …アレルギー症状について理解を促すコンテンツで、専門医の監修のもとで医療的に正しい内容が学べる。制作したのは芸術系の学生。
- 「ホスピタルクエスト インフルエンザ編」 …インフルエンザを専門にする医師のもと、RPG風のアニメーションを制作した。
設備の点では、三面モニターはデータを用意すれば映像をオムニバス的にどんどん流すことができます。しかし建築の内装に比べて著しくモニターの寿命が短く、5年ほどしかもたず、設置費用は非常に高額になります。
チア・アートHPの作品紹介 三面モニタ映像作品
ヘルスケアアートの種類
- 映像作品
- デジタルアート
- アニメーション
施設名
筑波大学附属病院
施設内の設置・実施場所
病棟の待合室(筑波大学附属病院 けやき棟 エントランス)
設置・実施年
2013年~
関係団体・個人とその役割
アート&デザインプロジェクト Art & Design Project for Well-being
筑波大学附属病院では、筑波大学芸術系の教職員や学生と協力しながら、アート、デザインによる療養環境改善の取り組みを2002年から行っています。これまでの活動は、NPO法人チア・アートHPにまとまっています。筑波大学附属病院での取り組み(NPO法人チア・アート)
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連続講座 第3回「芸術系大学と大学病院が協同したデジタルアート」
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事例投稿 村上史明