「眠り」は集中治療後症候群 (PICS) などの集中治療関連疾患の主要な要因であり、集中治療室(ICU)に滞在した患者の主な不満になっています。ある研究の中にはICUでの睡眠分析があり、夜間滞在者の42%が音に悩まされているという結果が出ています。複数の薬物的介入および非薬物的介入が、ICU環境における睡眠を取り巻く問題に対処するために試みられてきましたが、試験結果の統一性はほとんどありませんでした。
VR(バーチャルリアリティ )は、痛みをともなう処置中の鎮痛補助薬として、あるいはがん領域でのリラクゼーション・治療補助、リハビリテーションの手段などとして、さまざまな医療現場で活用されて効果が認められてきています。そのため、VRが救命救急の現場で一定の役割を果たしていると考えられますが、まだ調査研究はされていません。
チェルシー&ウェストミンスター病院では、CW+(同病院の公式財団)とICUチームで睡眠に関する研究を実施し、ICU環境でVRを使用することの実現性や、睡眠の質、さらには心理的・身体的症状に効果があるかを検証しています。この研究では被験者募集プログラムを使い、臨床チームが中心となって、睡眠の質をモニタリングするソフトと、介入前後のアンケートで、調査を進めています。
(CW+「RESEARCH AND EVALUATION」から、VRプロジェクトの部分を訳して転載)
ヘルスケアアートの種類
- VR(バーチャルリアリティ)
- デジタルアート
施設名
チェルシー・ウェストミンスター病院 Chelsea and Westminster Hospital(イギリス、ロンドン)
施設内の設置・実施場所
集中治療室(ICU)ほか
設置・実施年
試験的に2020年頃から
関係団体・個人とその役割
アート企画:CW+
アートディレクター:トリスタン・ホーキンス Trystan Hawkins
なごやヘルスケアアート・マネジメント事業
連続講座 第4回「イギリスのヘルスケア分野のデジタルアート」
https://healthcare-art.net/news/event/entry-265.html
事例投稿 CW+